優先順位を決める

自分の感受性くらい

どこ行くの?

…少し遠くまで

魔女の旅々というアニメが、綺麗でほのぼのとしてそうな見た目に反してなかなかエグい話をやっているとの噂を聞いたので見てみると、
背景美術が美しすぎてそれだけで目の保養だったのと、OPの歌がなんとも言えない魅力を放っていてそれだけで満足してしまった。
もちろん3話の巧みな構成からなるどんでん返し鬱も最高だったので見てよかった。

『リテラチュア/上田麗奈
上田麗奈さんの歌を聴いたのはハナヤマタのOPとグリッドマンのキャラソンだけだと思うからキャラクターとしてしか聴いたことなかったことになるなあ。
ハナヤマタは大勢だったから置いといて、グリッドマンの新条アカネの曲はその捻くれたキャラクターとは裏腹に、透き通ったピュアな楽曲と歌声から思春期の危うさや痛さを感じる歌だなと、聴いた当時思っていて
グリッドマンに関してはハマりまくってラジオやインタビュー等を熱心に追っていたので、その時の上田麗奈さんに持ったイメージがあるからか、それに引っ張られて今回の曲に思うことがあるという部分もあるなと。
他者に対して仮面を被りながら内面に攻撃的と言えるような、なんとも言葉にしにくい鬱屈した心を持つ新条アカネを「自分に似てる、気持ちが分かる」と言っていた上田さんに、まだ序盤も序盤のときはこの人大丈夫だろうか?と思ったものだが、終盤になるにつれて分かる新条アカネの人間性は自信がなくて寂しがり屋で友達がほしい不器用な女の子という、思春期の、或いは社会人の、心の奥底に秘めている悩みを抱える人間だったという。猟奇的な面は誰しも持つ人間臭さから来ていると。
そこは共感したりできなかったりで人それぞれだろうけど、上田さんが強く共感した部分はここなのかなと、今回の曲を聴いてたらふとそんなことを思い出していた。
1番はわりと綺麗に丁寧に歌っているんだけど、2番に入った途端に感情が溢れ出すみたいに、苦しそうに泣きそうに、抱えている想いを吐き出すように歌っているのがとても印象的。それもあって最後のサビは1番とほぼ同じなのにより吹っ切れた感があって、強い意思を感じるというか、意味合いが一歩先に進んだところにあるように聞こえるのが面白い。
インタビューを読むとやはり2番の歌詞が思い入れがあることに納得いった。歌う際にも演ずるというか、感情を大事にするタイプだからより表れてるんだろうな。
曲がキラキラしないようにお願いして作ってもらったのはなんか意外だった。
言われてみればキラキラはしてない、けどちゃんと正統な女の子の成長ものに聴こえるからなかなか精妙な作りになってるんだなと。初々しい中にも凝った技巧が見える、実は渋い仕上がりなのでは。
歌詞もメロディもすっごく好み。
そもそも会話文がある歌詞が大好き。誰かと会話してるようにも、自分自身と対話してるようにも取れて、それも自伝小説的な味があって作品にも合ってるから素敵だ。
歌詞とメロディラインが自然に噛み合ってて聴いてて心地いいんだよな。
カップリングもとてもいい。
とりわけ『花の雨』の歌い方は完璧なんじゃないかと思ってる。ふわふわとして曖昧な雰囲気の曲なのに隙がなく完成されてると感じる。
リテラチュアより好きかもしれない。

以前にも増して、声優さんがアニメの主題歌を担当することが多くなり、個人的には女性声優さんの歌が好きなので嬉しい限り。声優さんの歌は歌手の人とは発声が違うからなのかどこか不思議な感覚になるのが好き。
わたしが一番最初に声優だと意識してオリジナル楽曲を聴いたのが南央美さんと丹下桜さんだからかもしれない。
独特でクセがあるのがたまらんのです。